SharePoint管理者から見て、驚きの「改悪」ニュースです。
「SharePoint OnlineチームサイトとOneDrive for Businessのドキュメント ライブラリ バージョン管理を有効化」。
Versioning update to Document Libraries in team sites in SharePoint Online and OneDrive for Business
ニュースの概要をまとめると、以下の通りです。
・対象は SharePoint Online と OneDrive for Business の ドキュメントライブラリ
・メジャーバージョン保持数が 100未満ならば 100に変更される。
・メジャーバージョン保持数が 100以上ならば 変更はなく、そのまま。
・メジャーバージョン保持数をOffにはできない。バージョン管理の無効化もできない。
・展開時期は 2018年6月初旬から 7 月末まで。
このニュースのどこが「驚き」なのかは...
・例えば OneDriveは 1 TBの容量がありますが、既定値のまま バージョン数=500としていると 最大で「実際のファイルサイズ」の 500倍の容量が必要になります。
つまり、1 TB÷500→ 2 GBしか 使えなくなります。そんなに 更新しないファイルであれば 運用上は問題ないのですが、複数名で頻繁に更新する ExcelファイルやOneNoteファイルなどは 無駄なバージョンが増えて、容量を圧迫するかと。
・
OneNoteファイルは 動画ファイルや画像ファイルなどを貼り付け易いので 1ファイルサイズが大きくなりますが、そのようなサイズの大きいファイルを扱う場合も、メジャーバージョン保持数が 100以上になるので 最大で「実際のファイルサイズ」の100倍の容量が必要になります。例えば 500MBのOneNoteノートブックを頻繁に更新すると 500MB×100→50 GBの容量を消費します。たった 1%のために 残り99%の無駄な容量を消費するのは 明らかな無駄。
・いままでの SharePointでも バージョン数は 5から10が一般的です。Office Onlineが自動でファイル保存するので、そのような使い方をする場合は バージョン数を大きくします。大きなサイズのファイルがあれば バージョン数を小さくします。そのような バージョン数の調整(0から100未満)が できなくなるのは痛いです。
Microsoftさんの言い分としては...
・2018年7月に ユーザー辺りの容量を 20倍(0.5 GB→10.0GB)にした。
・バージョニングは ユーザーデータの記録保持に役立つ。
上記のブログサイトに、たくさんコメントついていますが 結果的に「このUpdate無し」になってくれると嬉しいです。
(2018.05.31 追記)
発表から1週間が経過して、
ブログ記事へのコメントも増えていますね。
・本質を理解している「出来る子」コメント 33%
・MS関係者らしき人の 微妙なコメント 21%
・本当にSharePointを使っているのか疑わしいコメント 46%
もっと「出来る子」コメントが増えてくれると嬉しいです。
(2018.06.15 追記)
ブログ記事へのコメント、OneNoteに関するRoger Guさんの回答が笑えますね。
▼MSブログ記事のコメント回答
OneNote versioning works differently from other documents regardless the library setting, so this change won't affect OneNote.
OneNoteのバージョン管理は、ライブラリの設定に関係なく他のドキュメントとは異なるため、この変更はOneNoteには影響しません。
▲MSブログ記事のコメント回答
SharePointライブラリのバージョンとは別に、
OneNoteノートブックはバージョンを持っています。つまり、SharePointライブラリ上にOneNoteノートブックを置く場合、どちらかのバージョンは不要。なので 通常は SharePointライブラリ側のバージョンをOffにします。
SharePointライブラリ上にOneNoteノートブックを置く場合、OneNoteノートブックは「フォルダ」なのでバージョンはなく、OneNoteセクションファイルに SharePointバージョンが付く 。そして ユーザーは SharePointライブラリからは OneNoteセクションファイルは操作できないので SharePointバージョンが勝手につくけど削除できない無駄な状態。サイトコレクション管理者が記憶域メトリックスから 1ファイルづつバージョンを削除? 運用的にあり得ないですね...。
また 新しいブログ記事(
New Updates to OneDrive and SharePoint Team Site Versioning)が掲載されていますね。援護射撃でしょうか。内容的には変更なしで、6月後半から7月中に展開です。民の祈りは 神には届かず...
バージョン設定画面で 設定できる項目は7つあります。
バージョン設定のバリエーションを 10種類準備して バージョン設定がどのようにUpdateされるのか、待ってみようと思います。
(2018.08.17 追記)
日本では お盆休みの人も多いかと思われますが。バージョン設定、ついに一般提供が開始されました。まだ、実物にはお目にかかっていませんが、どうなることやら・・・。
・・・っと思っていたら
2018年8月14日のMicrosoftブログ記事で バージョン管理のUpdateを回避するオプションが追加され、Office365テナント単位で PowerShell(Set-SPOTenant, EnableMinimumVersionRequirement)で設定できるようになりました。
2018年9月末までに実行しておけば、バージョン管理の改悪UPDATEは適用されず 今まで通りの設定が保持されるようです。